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文化と伝統と共に生きる、これからの暮らしを知る 久留米・八女の旅

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文化と伝統と共に生きる、これからの暮らしを知る 久留米・八女の旅の写真
今回神山まりあさんが訪れたのは、福岡県の筑後地方、久留米と八女エリア。地元のエキスパート「ローカルナビゲーター」が、久留米絣(かすり)を中心とした筑後地方の伝統工芸や玉露で有名な八女茶の名店などを紹介してくれました。

1日目 まずは茶畑を一望できる絶景スポットへ

八女と聞いて、八女茶を思い浮かべる人も多いはず。ここ「八女中央大茶園」の頂上には、誰でも入れる展望台が。青々とした茶畑を一望できます。

目の前に広がる茶畑に感動!

ありそうでなかった茶葉ごと飲める緑茶をいただく

八女中央大茶園から車で約15分、次に向かったのは完全無農薬栽培の緑茶を作っている「いりえ茶園」。

こちらのいりえ茶園のお茶の魅力はなんといっても「完全無農薬栽培」であること。無農薬なので、茶葉をそのままパウダーにし、濃厚な風味が楽しめる粉末緑茶も安心していただけます。

「有機栽培は土が命です。ミミズなど自然の力を借りながら忍耐強く土作りに5年を費やし、またさらに5年以上をかけて試行錯誤を繰り返し、完全無農薬のお茶づくりに成功しました」と、園主の入江俊郎さん。ていねいに育てられたお茶は、香り高くうまみも栄養もたっぷり。茶葉だけでなく、粉末タイプやお茶を使ったようかんなどのお菓子も種類が豊富でお土産にもぴったりです。家族思いのまりあさんも、栄養満点と聞いて思わずお買い上げ。

お昼ごはんは、やっぱり麺!

いりえ茶園から久留米へ移動しやってきたのは、70年の歴史を持つ田中製麺による「田中の麺家」。福岡で「麺」というと、ラーメンを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、実はうどんも地元民に愛されるソウルフードなのです。田中製麺のうどんは、小麦粉や塩などの原材料へのこだわりと、室温や湿度など長年研究されたうえでのベストな環境での麺づくりによって、うどん激戦区の福岡でも地元民に大人気となっています。

名物だという「田中麺家うどん」。肉、ごぼう天、自家製丸天、きつねが入ってボリューム満点!

久留米絣に親しむ 機織り体験でコースター作り

「柄が浮かび上がってくる!」機織りは初めてだというまりあさん。

久留米の市街地へ移動し、まりあさんが訪れたのは、久留米絣みらい研究室、Coppolart代表の古賀円さんのアトリエ。久留米絣の洋服を製作している古賀さんの指導のもと、まりあさんも、藍染めの糸から織り上げる絣のコースターづくりに挑戦しました。

糸は織り機の幅に合わせて染められているので、幅を変えるとこのようにランダムに柄が出現します。

久留米絣は、伊予絣(愛媛県)、備後絣(広島県)とともに日本三大絣の一つともされています。絣とは、考案された図案に合わせて、括り(くくり)とよばれる技法で、あらかじめたて糸とよこ糸を染め分け、図案通りの柄を織り出していく先染めの織物です。

好みの長さになったら、端の糸を結んで完成!

江戸時代から、生活必需品として人々の暮らしに寄り添ってきた久留米絣ですが、時代の変化とともに需要は減少していきました。今では国の重要無形文化財になっている久留米絣の技法。「藍染めの部分と白い糸のコントラストがかわいい! 実際に触れ、自分の手で織ってみることで伝統工芸品が身近に感じられました」とまりあさん。

※体験をご希望の方は、事前にお問い合わせのうえ可能な日時をご確認ください。

絣糸のコースター作り
体験料:2500円
体験時間:平日 10:00~18:00
住所:久留米市原古賀町(詳細は受付時にお伝えします)

※2人から受け付けます。
※要予約:スケジュールによってはご希望に添えない場合もございます。
※所要時間:30分~1時間

メールアドレス:heart_mirai@yahoo.co.jp(古賀)

地酒をとおして福岡の「水」と「米」を知る

まりあさんが次に訪れたのは、久留米で100年を超える歴史をもつ酒蔵、「旭菊酒造」。

旭菊酒造の蔵の後継者の原田頼和さんとお母様の原田圭子さんに酒づくりへのこだわりを伺いました。「その土地の環境に合った、昔ながらの製法を守っています。おいしい酒づくりには、その土地の環境を知り、あらゆる条件を見極めることが必要なのです。」

久留米を中心に広がる筑後平野でおいしいお米がたくさんとれることに加え、筑後川の水運が流通の拠点になっているため、このあたりは酒づくりに関しては恵まれた土地なんだそう。「日本酒には各銘柄によって適正温度がありますが、旭菊のお酒は、燗(かん)にすることでお米のうまみがグッと引き立つのが特徴です」と原田さん。試飲をしたまりあさんも「おいしい! これはお酒好きも納得ですね」と太鼓判。

第2次大戦中に企業整備例で休業を余儀なくされたり、2010年には火災で酒蔵が全焼するなどの困難を乗り越え、地元の方に愛される酒づくりを続けてきた旭菊。1994年からは無農薬の山田錦の栽培にも取り組んでいます。「流行に流されず、本当においしいものを作れるよう、これからも挑戦を続けたいですね」と語ってくださいました。

※訪問での購入ご希望の方は、事前にお問い合わせのうえ可能な日時をご確認ください。
0942-64-2003 受付時間 平日9:00~17:00

地元の野菜をふんだんに使った農家の食卓風ディナー

おすすめはシャキシャキの水菜のサラダ

夕食は、久留米の市街地にある「CROSS~農家の食卓~」へ。ここでは、コンセプトである農家の食卓のように、ボリュームたっぷり、その日の朝採れたばかりの新鮮なお野菜たっぷりのコースメニューがいただけます。

「せっかく新鮮な野菜を作っていても、流通によっては、スーパーに並ぶ頃には鮮度が落ちてしまいます。

自分や周りの農家さんたちが作った野菜を一番おいしい状態で身近な人に食べてもらう機会がなかったので、自分でその場所を作りました。」と語ってくれたのは、オーナーであり、自らも農業を行う稲吉久徳さん。7月の豪雨で被害を受けた水菜も、周囲の方の力も借りながら見事に復活しました。水菜の他にも、小松菜を使用したジェラートも人気だそう。えぐみが少なくさっぱりとした甘さで、野菜嫌いのお子さまにもおすすめの一品です。

2日目 新しい時代に挑む伝統工芸 下川織物

1日目の機織り体験で、久留米絣についてもっと知りたくなったというまりあさん。そこで、今年で創業70年を迎える織元、「下川織物」を訪れました。

訪前回れた会津木綿の「IIE Lab.」で使用されていた豊田式と同様の織り機

70年前から現役で動き続ける織り機たちが、正確に絣の柄を織り上げていく様子を見ることができます。

「絣は全盛期の昭和初期の頃と比べると需要は激減していますが、久留米絣の技法は海外でも注目が集まってきています」と、三代目の下川強臓さん。SNSを通じて日々、職人目線でのものづくりの現場を世界に向けて発信しています。評判が広まり、ヨーロッパのデザイナーとのコラボレーションに発展したこともあるそう。

色とりどりの久留米絣。

従来の柄物に加えて無地の織物を安定的に織れる体制を作り上げるなど、時代に合わせた商品を生み出す柔軟さも下川織物の特徴です。「伝統工芸を残したいという気持ちだけでは商売は続かない」と下川さん。「良いものをただ作るだけでなく、新しいことにも挑戦することで、伝統をつなげていきたいと思っています」と、未来への思いも語ってくださいました。

こだわりの空間で地元の食材をいただく

八女の白壁通りにある「旧寺崎邸」。こちらの趣のある建物の一角に「あだち珈琲」が入っています。店主自ら産地へ足を運び買い付けているよりすぐりのスペシャルティコーヒーは地元の方にも大人気。

ホットドッグはボリューム満点!

こだわりのコーヒーはもちろん、筑後地方で作られたソーセージのホットドッグや、地元で採れたお米を使用したおにぎりなどのお食事メニューもいただけます。「うなぎの寝床」のすてきな雑貨に囲まれながら、ゆったりコーヒーをいただいて気分もリフレッシュしそう。

絣といえば藍染め 藍染絣工房 山村健

次にまりあさんが訪れたのは、久留米絣の藍染めから手織りまでの全工程を行う「藍染絣工房 山村健」。化学染料の使用も多くなる中、こちらでは江戸時代から引き継がれる「正藍染め」の技法とっています。

表面に浮かぶ泡は、「藍の花」とも呼ばれ、酵素が元気な証拠なんだそう
鮮やかな手さばきで一瞬にして藍色に変わる様子にまりあさんも見入っていました

藍甕(あいがめ)から取り出したばかりの糸はチョコレートのような色をしていますが、空気に触れ酸化させることによって藍色になります。

力強く作業を繰り返す山村研介さん。

藍液に浸した糸を引きあげて絞り、たたいて空気に触れさせます。この工程を1回として、30回から40回繰り返し、しっかりと染めていくんだそう。藍甕(あいがめ)の液の色は、全て微妙に濃淡が違い、濃度の低いほうから濃いほうへ、繰り返し染めていきます。はじめから濃い藍で染めると、早く染まるものの色落ちしやすいので、何度も染めを繰り返します。

美しく織りあがった久留米絣

正藍染めと手織りという、手間のかかる昔ながらの手法を守っているからこそ生み出される風合いは、まさに芸術品。代表の山村健さんは、「手織りで表現できる風合いと藍色の色味は何よりもの魅力です。これからも伝統を守りながら新しいものづくりに挑戦し、人々のいやしになる絣を届けたいですね」と語ってくださいました。

山村さんの久留米絣で作られた着物。丈夫で美しい一品に「複雑な波模様が見事に織られていて、うっとりしますね」とまりあさん。

※藍染絣工房の見学をご希望の方は、事前にお問い合わせのうえ可能な日時をご確認ください。
0943-32-0332
※1週間ほど前から電話連絡をお願いします。小さな工房のため大勢でのお越しや日程の都合上見学できない場合があります。ご了承ください。
※着付け体験をご希望の方は、heart_mirai@yahoo.co.jp(古賀)までお問い合わせのうえ、ご希望日時や人数をお伝えください。

八女茶の老舗 許斐本家でほっと一息

まち歩きのひと休みに訪れたのは、江戸時代から続く八女茶の老舗「矢部屋 許斐本家」。8月のレシピで使用した香り高い玉露の「このみ園」はこちらのもの。許斐本家では、100年以上前の漆で塗られた接待棟の座敷にて、玉露などのお茶をいただけます。当時の雰囲気がそのまま残る喫茶室で味わうお茶は格別。

「とってもいい香り! 心が落ち着きますね」とまりあさん。
お茶は、玉露・煎茶・抹茶から選ぶことができます。

九州最古の茶商である許斐本家のお茶は、厳選な茶葉の選別と伝統的な製法でつくられています。「この辺りは、お茶づくりに非常に恵まれた土地なんです。和紙を貼ったホイロの上でお茶を乾燥させる古くからのやり方を貫いてこられたのは、この辺りで和紙文化が根付いていたからこそ。地域の良さや原点から学ぶことによって、伝統を守りながらも時代に合ったお茶づくりができるんです」と語ってくれたのは、十四代目の許斐健一さん。江戸時代からのブレンド技術による確かな品質のお茶は、お土産や贈り物にもおすすめです。

白壁通りでお土産さがし

許斐本家から約5分、古い町並みを楽しみながら歩いた先にあるのが「うなぎの寝床 八女本店」。「九州ちくごのものづくりを伝える」地域文化商社というコンセプトの通り、周辺地域のつくり手の方から直接仕入れたよりすぐりの品々が並びます。

「無地も柄物もどっちもかわいい! これなら普段着ににもできそう」とまりあさん。

大人気商品であるもんぺについて、バイヤーの春口丞悟さんにお話をお伺いました。「絣の着ごこちの良さは、一回履いた人にはわかります。まず試してもらうにはどうすればいいかを考え、柄物だけでなく、普段着に取り入れやすい無地の展開を決めました」。古くからある「本当にいいもの」を、今の暮らしになじむ形で提案していく。「地域文化を絶やさないために自分たちの役割を考えて、できることをやっていきたい」という思いを聞かせてくれました。

神山まりあさんからのメッセージ

2日間にわたり、久留米・八女の旅を満喫したまりあさん。旅をこのように振り返ってくれました。

福岡には何度か訪れたことがありましたが、久留米も八女も初めてで、本当にすてきなところでびっくり。茶畑の緑と青空のコントラストや、久留米絣の藍の濃淡など、思わずハッとする美しい色にたくさん出会うことができました。知っているつもりになっていても、まだまだ日本には自分の知らない魅力的な地域がたくさんあるのだと、今回の旅を通してあらためて感じました。そして、伝統工芸と共に生きる人々の暮らしに触れて、昔から続く文化や技術を継承していくことを、皆さんが今の時代に沿ったかたちで柔軟に実践されていることに驚きました。伝統を守りながらも時代のニーズに合わせたり、付加価値を生み出したりしながら文化を継承していく。とってもすてきなことだと思います。実際に自分の目で見て、手織りの絣にも挑戦することで伝統を身近に感じられ、「豊かに生きる」ということの意味を考えるきっかけをくれた旅となりました。

Photo: Koichiro Inomata Movie: omegane Text: Ayaka Fukui

今回の旅のルート

今回の旅で訪れたスポットの詳細を、地図にてご紹介します。次の旅の参考にしてみては?

地図

久留米・八女のお土産 おすすめ商品をご紹介

大切な人へのお土産や旅の思い出にも! 久留米・八女の、地元で愛される逸品たちをご紹介

無農薬で安心の八女茶ティーバッグ
パッケージも美しい老舗(しにせ)の玉露
食中酒にもぴったりなこだわりの日本酒
手軽でおいしい!地元でも大人気のうどんやラーメン

今回のローカルナビゲーターは?

ローカルナビゲーター:古賀 円
福岡県久留米市出身。久留米絣が好き過ぎて起業しました。福岡県南のちくごエリアは、母なる筑後川をベースに産業が発展してきました。豊かな風土、伝統と確かな職人技に裏付けされる、ものづくり。地元愛にあふれた宝ものが沢山あります。ぜひ遊びにいらしてください。

まりあさんの「シェアしたい!」瞬間たち

まりあさんの視点から、久留米・八女の魅力をオフショットにてご紹介します
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お知らせ

本のカバー写真:神山まりあのガハハ育児語録

神山まりあさん著『神山まりあの「ガハハ」育児語録』が2018年9月7日に発売になりました!

書名:神山まりあの「ガハハ」育児語録
著者:神山まりあ
出版社:光文社
定価:1,500円(税別)

内容

VERYモデル神山まりあさんの妊娠期から現在までの思いを「語録」として、本人執筆のエッセーを中心に、ファッション、ビューティーまで展開した従来型とは異なったスタイルブック。愛用の育児グッズや、息子「ディーン君」の私服も公開。オール私物、撮影もほぼ自宅で行い、リアルなライフスタイルが垣間見られます。

「新米ママ」として、今同じように悩みを持つ方やこれからママになる方が少しでもラクに楽しく育児ができるようになってほしい、という思いのものと、「育児の”暗黙のルール”(生魚は食べていいの?、プールはダメ?など)」について妊娠時の主治医へのインタビューも掲載。

神山まりあさんよりメッセージ

9月7日に初めての本を出版することになりました!新米ママ2年生、試行錯誤の毎日の中で育児や夫婦関係などの気づきや経験を私なりの言葉で綴ってみました。肩の力をほんの少し抜いて、コーヒーを飲みながらさらっと読む。なんならビール飲みながらだっていい。皆さんにとって、そんな身近な存在である本になりますように。