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東北の音楽の町と自然派酒造を巡る旅
~自然派酒造の未来への挑戦とは~

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福島県の中央に位置し、西に猪苗代湖(いなわしろこ)、中心部を阿武隈川(あぶくまがわ)が流れる郡山市。仙台市に次ぐ東北二番目の経済規模を持ちます。

今回僕が訪れたのは
この地に300年続く酒蔵です。
さてこの郡山市は音楽の町と
も呼ばれていることを皆さんご存じでしょうか?
今回はそんな音楽にゆかりある町の魅力と、この地に蔵を構える酒蔵を巡る旅に皆様をお連れします。

実は歌や合唱で有名な郡山市

まず、この町の大きな玄関口ともいえるJR郡山駅。ここに到着しホームを歩くとどこからともなく曲が流れてきます。

どこから流れてくるのだろうと辺りを見回すと、発車メロディーだということに気付きます。この郡山市で結成されたGreeeeNの曲がそのメロディーに採用されているのです。

駅近辺を少し歩くと音符や楽譜をモチーフにしたベンチやイスを見つけることができます。

実は郡山市といえば、全日本合唱コンクール全国大会をはじめ、さまざまな合唱コンクールに上位に常連で入賞できるレベルの学校があり、町中でも合唱コンサートが開かれたりしています。

暴力を音楽の力で追放!? 東北のウィーンへ

そんな郡山市の歴史をひも解くと、戦後まもなくの困窮期、郡山市は今では想像つかないほど荒廃した雰囲気がありました。

そのような中、市民による美術や演劇、音楽などの団体が立ち上げられ、音楽で暴力を追放していく動きがあったといわれています。昭和30年代に郡山市で実際にあった音楽で暴力を追放する市民の活動を元にした映画、「百万人の大合唱」(昭和47年公開)の舞台となっています。

昭和49年には「街に緑を! 若者に広場を! そして大きな夢を!」を合言葉に郡山ワンステップフェスティバルというイベントが開催され、その一環で行われたロックコンサートは5日間、30組以上のバンドが参加し、なんとオノ・ヨーコも参加する伝説的ロックフェスティバルとなったのです。

昭和55年から平成26年までの35年間、安積女子高(現安積黎明高校)が全日本合唱コンクールで連続して金賞を受賞しました。その間の平成20年に音楽都市を宣言し、音楽のあふれる町、東北のウィーンとまで呼ばれるようになりました。

大切にするのは自然との調律。創業から300年の酒蔵

さて町の中心から少し離れ、郡山市の東側にある田村町金沢地区。季節の移ろいを感じられる里山や田畑ののどかな自然の景色が広がっています。創業から約300年、この地域に自然との調和をまっすぐに考えられている酒蔵「仁井田本家」があります。

約300年の歴史を語るかのごとく、クラシックで伝統的な製法での酒造りを行いつつ、一方でお酒だけではないあらゆる世代の方々が楽しめるような取り組みをされており、そのファンは日本酒好きだけにとどまりません。

農薬や化学肥料を使わないお米のお酒で笑顔のアンサンブル

この酒蔵の最大の特徴であり、魅力というべき点は、お米へのこだわりでしょう。農薬や化学肥料を一切使わず栽培したお米での酒造りをされています。

実はこの田村町金沢地区の名前の由来は「稲穂の黄金の沢」を意味するといわれており、米づくりに向いた良質な土壌で仁井田本家の日本酒の原料となるお米は栽培されています。

平成21年には農業生産法人「仁井田本家あぐり」を設立され、地元の田んぼを全て自然栽培にするという目標を掲げ、農薬や化学肥料を使わない手法で栽培されているようです。持続可能な田んぼを目指し未来の世代まで自然の里を残す挑戦を実践されているわけです。
そういうこともあってか、田んぼや酒蔵と消費者を身近に感じる取り組みも多くの頻度で行われています。

お米の恵みを感じる酒蔵での試飲会だけでなく、お酒が飲めない方も楽しめる麹(こうじ)をつかったスイーツなどが楽しめるイベント、田んぼにみんなで入って田植えや稲刈りなど体験型のイベントも行われ、一年を通して、実にいろいろなイベントが催されます。また、女将(おかみ)が元ジャズピアニストということもあり、蔵にあるグランドピアノでステキでおしゃれな音楽を披露されることもあります。

どのイベントでも蔵や田んぼは小さな子供から大人まで多くの人の笑顔であふれ、その様子はまさに笑顔のシンフォニー。
そんな中には熱烈なサポーターもおられ、仁井田サポーターと呼ばれています。ここまで多くの人々を笑顔にする酒蔵はなかなか見たことがありません。
こういった取り組みを数多くなされていることが多くの共感を生んでいるのです。

自然の力を活用した、昔ながらのクラシックな日本酒の造り

仁井田本家の人気銘柄といえば、にいだしぜんしゅ
これは「生もと」づくりという大変手間のかかる伝統的な製法で醸(かも)されます。
自然の力を活用した、昔ながらのクラシックな日本酒の造り方ともいうべきでしょうか。江戸時代~明治時代中盤まで主流だった造り方です。
自然米を原料に醸造されていることもあり、特徴としては、なめらかに澄んだ日本酒で、どんな料理とも相性が良く、毎日飲んでも飽きないような味わいに設計されています。

冬の時期には燗酒(かんざけ)にして楽しむのもおすすめです。酒母のあじわいと、やわらかな香りがフワッと花開きます。静かな冬の夜のひと時、しんとした静寂の音色に耳をすませながら、熱のある一献をひとくち。ぽかぽかと心身をあたため、心地よい余韻を楽しむことができるのではないでしょうか?
酒蔵と、その周辺の魅力あふれる文化を巡る旅はいかがでしたか。

東北のウィーン郡山市。冬にはビッグツリーページェント・フェスタというイルミネーションや音楽イベントも開かれています。音楽に酔いしれながらお酒に酔いしれてみるのもいいかもしれませんね。

※お酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁じられています。


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筆者紹介


日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒の奥深さに魅せられ、全国の日本酒の酒蔵を巡り歩き、魅力を伝えています。大学在学中の2017年に屋外での立ち呑みイベントを実施する団体としてSake Baseを立ち上げ、その後、小売や立ち呑みができるSake Base日本酒の専門店を開店。2019年2月からwebメディアを開始しました。今後も、日本酒の魅力を伝えていく為にSake Base株式会社は奔走し突き進んでいきます。
https://sakebase.jp/(外部リンク)

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そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
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