閲覧履歴機能をリリースしました

人・社会、地域、環境にやさしいエシカル商品を応援するお買い物メディア エールマーケット

エルマの読みもの

真摯な努力で二兎を得た!
ウサギの日本酒を求めて岡崎を巡る旅

  • twitterでこのページをシェア
  • facebookでこのページをシェア
  • LINEでこのページをシェア
<center>真摯な努力で二兎を得た!<br>ウサギの日本酒を求めて岡崎を巡る旅</center>の写真

二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず」ということわざをご存じでしょうか?
欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえです。


しかしもし、二兎を追いかけ二兎を得ることができたらとてもすごいことですよね。


そのような二兎を追って二兎を得たような日本酒を生み出した酒蔵があるときいて、今回僕は愛知県は岡崎市を訪れました。今回はその酒蔵とともにその周辺の歴史や文化を巡る旅に皆さんをお連れします。

天下人、徳川家康が生まれた岡崎!

ここは天下分け目の関ケ原の戦いで勝利し江戸幕府を開いた戦国武将、徳川家康(幼少名 竹千代)が生まれた岡崎城がある町として有名です。この岡崎城を中心にいくつか面白いスポットが周囲に広がっています。

まず、僕が訪れたのは中岡崎駅(愛知環状鉄道線)から歩いて数分の八丁蔵通りと呼ばれるところです。
この辺りは、味噌カツや味噌煮込みうどん、どて煮、味噌おでんなど、コッテリとした濃厚な赤味噌「八丁味噌」の蔵が並んでいます。現在では八丁味噌を造っている会社(蔵)は日本で2社、「合資会社 八丁味噌カクキュー」と「株式会社 まるや八丁味噌」なのだそうです。蔵の見学ツアーなども行われており、観光バスがよくやってきます。


さて、この「八丁」という名前、実は距離が由来です。八丁とは約870mの距離を言います。
何が八丁かというと、岡崎城からの距離がまさにその距離に相当するというわけです。
八丁味噌の原料は大豆と塩と水のみで醸され、木おけで味噌のもろみの発酵を進め、杉の板を上に被せて、重しのかわりとなる石を規則的に積み、2~3年熟成させるのです。
一般的には仕込んで何年も経た米味噌の場合は次第に劣化してしまいますが、八丁味噌は熟成をさせればさせるほど、コクのある濃醇な香りや味わいが出るというのが特徴でしょうね。

特色のあるこの八丁味噌、実はその昔、NHKの朝ドラでも取り上げられたことがあります。まさにこの辺りの地域がドラマの舞台となっており、ロケをしていた案内や、当時の役者の手形などが置かれたりしています。趣のある町並みは写真撮影にピッタリです!

あの徳川家康が生まれた岡崎城を散策

さてこの八丁通りを北上し、国道1号線に沿って東に約10分歩くと岡崎城公園が見えてきます。歴史公園となっており、徳川家康の銅像や資料館、神社などがあります。観光客も多く、特に桜の時期には観光客でにぎわうそうです。さすが「日本桜名所100選」に選ばれている公園ですね。

岡崎城の方に坂を上っていくと神社が見えてきました。この神社は、「龍城神社」です。徳川家康が誕生した朝に城楼上に雲を呼び風を招く金の龍が現れ、昇天したという伝説が残るパワースポットです。城のすぐそばにあり、城と神社が並ぶさまは美しく荘厳さすら感じます。



「本日は、よう我が城に参られた!」
岡崎城前でふと声がかかり、振り返ってみるとそこにはビシッと扇子を構えた徳川家康がいらっしゃるじゃありませんか!
現代によみがえった徳川家康とそれを支えた徳川四天王はグレート家康公「葵」武将隊となって岡崎や家康公の魅力を発信されています。
園内で観光客との記念撮影なども行われています。
毎週末、公園内、三河武士のやかた 家康館前広場で行われる演武は見ごたえがあります。ブワッブワッと風にたなびく大きな旗をつかった闘いの舞はダイナミック! 訪れたら見ておきたいですね!

これが三河武士のやかた 家康館です、徳川家康の出生から天下統一までの歴史と、それを支えた三河武士たちの功績が、主に紹介されています。あの天下分け目の関ヶ原の戦いを忠実に再現した「決戦! 関ヶ原」のジオラマは面白いですね。可動式のジオラマと大型スクリーンで当時の武将がどんな戦い方をしたのか、戦の内容が歴史に詳しくない人でも楽しめるようにわかりやすく表現されています。
なにより、当時の戦を生でみているような臨場感で迫力満点です。
岡崎公園は、お城、資料館、公園を散策、すべてゆっくり回ると半日はかかりそうです。

創業は1690年! 歴史ある老舗酒蔵を巡る!

さてこの岡崎城公園から東に徒歩で約30分歩いたところに今回最後の目的地の酒蔵があります。民家が周囲に並ぶ中にあるのは1690年創業の老舗酒蔵の丸石醸造です。
この酒蔵で有名な日本酒といえば「長誉(ちょうよ)」でしょうか。地元でも愛されている銘柄です。
定期的に蔵で開催される、「長誉祭り」という日本酒イベントが催され、この日になると丸石醸造は全国から訪問して来る多くの日本酒ファンでにぎわいます。


丸石醸造の酒造りの一番の特徴といえば、タンクごとの責任者制度があげられます。これは日本酒の酒タンクごとに責任者を決めることで、蔵人一人ひとりに責任感が生まれ、そのタンクに集中し、おいしく大切に育て上げたいというモチベーションを一層引き出しているようなのです。

このような酒蔵から生まれ、口コミで広まっていった意欲作の日本酒をご紹介します。

二兎を追って二兎を得た! 絶妙なバランスの日本酒

その日本酒とは「二兎」。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ということわざとは逆行する、「二兎追うものしか二兎を得ず」という想いがこの日本酒の名前の由来なのです。
日本酒において相反、矛盾するように見える、2つの要素をあたかもウサギに見立てています。さてこの矛盾するような要素とはなんでしょうか?
それは「酸味とうま味」、「甘みと辛み」、「重さと軽さ」というそれぞれ対になっている要素です。
一見すると矛盾しそうな要素のバランスを極限まで追求することで二兎を得たいというチャレンジ精神が大切なブランドコンセプトとなっています。
この真摯(しんし)なチャレンジの結末はその味わいにしっかりと表れています。

飲み始めは甘みや豊かなうま味の広がりが立体感を感じさせ、飲み終わるころにはスッキリ締まる酸味と奥にほのかに感じる辛み、尾を引かない軽い余韻のバランスは芸術的です。

欲を出して二兎を追うと中途半端でどちらも取り逃してしまいますが、真摯な努力と確かな技で絶妙なバランスをもって二兎を得たといえるのではないでしょうか。
まさに虎穴に入らずんば虎子を得ずというように、果敢にチャレンジしなければ得ることができない大切さを教えてくれるような気がします。得たのは虎の子ではなくて二羽のウサギですがこの心意気もとてもすてきです。

人気ある日本酒なのですが、残念ながら生産できる量に限りがあるため、蔵の直売所での販売は行っておらず、酒屋などの特約店のみでの販売で一般流通はなかなかなされていないようです。
さて「二兎」のラベルに注目してみましょう。二羽のウサギが向き合っているかわいらしい模様は、「対い兎(むかいうさぎ)」の紋といい、二つを結ぶという意味合いが込められているようです。縁起の良い贈り物としても、おすすめできると思います。
実は初めの方でも紹介させていただいていた、八丁味噌とも会うように設計されており、味噌料理のお供にするというのもいいと思います。
酒蔵と、その周辺の魅力あふれる文化を巡る旅はいかがでしたか。
岡崎城公園は桜の名所としても名高いところです。
お花見の時期にぜひ訪れて、夜桜と月のウサギを眺め、歴史に思いをはせつつ一献なんてのはいかがでしょうか?

※お酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁じられています。


関連記事はこちら

朝ドラでもおなじみ信楽と酒蔵を巡る旅
朝ドラでもおなじみ信楽と酒蔵を巡る旅

日本で一番大きな湖の琵琶湖がある滋賀県。この南東に位置する甲賀市水口町にある酒蔵、美冨久(みふく)酒造に訪れました。蔵人による酒蔵ツアーやスイーツがおススメです。他には朝ドラでもおなじみの陶芸の郷、信楽を巡ります。
「すっぴん美人」な日本酒を巡る旅
「すっぴん美人」な日本酒を巡る旅

奈良県御所市にある油長酒造に訪れました。フレッシュな生の日本酒にこだわり続けた「風の森」で有名です。他には全国の「カモ」神社の総本社である高鴨神社や、古い時代の面影を残す近隣の町並みを巡ります。

筆者紹介


日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒の奥深さに魅せられ、全国の日本酒の酒蔵を巡り歩き、魅力を伝えています。大学在学中の2017年に屋外での立ち呑みイベントを実施する団体としてSake Baseを立ち上げ、その後、小売や立ち呑みができるSake Base日本酒の専門店を開店。2019年2月からwebメディアを開始しました。今後も、日本酒の魅力を伝えていくためにSake Base株式会社は奔走し突き進んでいきます。
https://sakebase.jp/(外部リンク)

どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
もっと知ってほしいもの、あなたに届けたいもの、見つけました。
好きって、エールなのかもしれません。