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エルマの読みもの

究極の「分業」が生み出した日本酒
~家具の町福岡県大川市を巡る旅~

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究極の「分業」が生み出した日本酒<br>~家具の町福岡県大川市を巡る旅~の写真

今回僕は福岡県南西部にある大川市を訪れました。


大川市は九州地方最大の河川、筑後川が流れ、そこに架かる世界有数の昇降式可動鉄橋の筑後川昇開橋が風情を感じさせます。また「家具」も有名で、西日本最大級の家具展示場、大川家具総合団地「ユー・ゾーン」があります。実はこの家具の町ならではの酒蔵があるので、その酒蔵や歴史や文化を巡る旅に皆さんをお連れします。

分業が発展のカギだった! 家具の町、大川

家具の町の歴史は古く16世紀中ごろまでさかのぼります。ここは筑後川から有明海へと至る水運の要所で材木の集積地でした。そこから船大工の町として発展し、技術が成熟して家具の卓越した木工技術が隆盛したわけです。

木工家具は原木を切り出して、乾燥させ、合板などの家具製造のための材料づくりから始まり、組み立てて完成します。この大川では、伝統的にこの工程それぞれに事業者がおり、分業化が徹底しているといわれています。そのため大川地区で家具を注文すると製造まで格段に速く行えるといいます。

分業体制は技術が習熟しやすく、生産性向上が図れたり得意分野に専念できるため、うまくまとめ上げると絶大なインパクトを生み出すことができます。エキスパート達が互いの技術を持ち寄り、ものづくりで融合する文化だったわけです。

分業と的確な仕事で日本酒ファンを魅了!「チーム若波」

筑後川昇開橋に近く、筑後川をのぞむところに若波酒造合名会社があります。大正11年(1922)創業で歴史にとらわれず若い波を作りだそうという思いと、蔵の前を流れる筑後川の若々しい波の姿より「若波」と名付けられました。また酒造りメンバーを"チーム若波"と呼び、丁寧・迅速・的確な仕事を可能にしています。エキスパートが互いの技術を持ち寄り重ね、融合する。そんな大川市に息づく『究極の分業文化』を酒造りに生かしています。
まず、この酒蔵のお酒をご紹介しましょう。純米吟醸の若波を取り上げたいと思います。
味わいの特徴はその果実感! スルッと入ってくるなめらかで若々しい味わいに「味の押し波・余韻の引波」。ぐっと押し寄せる味わい、すっと引き行く余韻が、まるで穏やかな波に漂っているかのような心地に誘います。
甘さと香りが引き立ち、爽やかな旨みが美しい。酔うためというより、食事を引き立てるお酒かもしれません。アペリティフ(食前酒)、食中酒として、味わいのひと時に新たな彩りを添えてくれます。ラベルもシンプルな美しさがあります。
このような日本酒を生み出す若波酒造の『究極の分業文化』を紹介しましょう。
現代表の今村嘉一郎氏は経営を担いつつ、デザイン会社勤務経験から、シンプルで特徴あるラベルもデザインされています。
杜氏の庄司隆宏氏は酒造りの現場を統括する醸造責任者です。秋田県の酒蔵で技術を磨き、その技を発揮する醸造のプロです。
各サポートされている今村友香氏は製造統括や広報、商品開発を担当。女性の視点から人気商品"苺のお酒 あまおう"の考案もされました。

そんな専門的な分野を持つ3人を中心に、技術を見事に融合させています。スタッフ間の意見をオープンかつフランクな環境で吸い上げ、商品に反映されています。蔵の1日の動きを全員で共有する「見える化」もポイントです。

分業制の強みとチームワークで技術と感性が融合した高品質な日本酒が完成するのです。
酒蔵と家具の町を巡る旅はいかがでしたか?
美しくも希少な鉄橋という観光地もあり、『究極の分業文化』という家具の町ならではの伝統を感じるおいしいお酒がある大川市。春の風にさざめく筑後川の若波を見ながら一献というのも風情あるものですね!

※お酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁じられています。



筆者紹介


日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒x旅人 宍戸 涼太郎さん

日本酒の奥深さに魅せられ、全国の日本酒の酒蔵を巡り歩き、魅力を伝えています。大学在学中の2017年に屋外での立ち呑みイベントを実施する団体としてSake Baseを立ち上げ、その後、小売や立ち呑みができるSake Base日本酒の専門店を開店。2019年2月からwebメディアを開始しました。今後も、日本酒の魅力を伝えていくためにSake Base株式会社は奔走し突き進んでいきます。
https://sakebase.jp/(外部リンク)

どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
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好きって、エールなのかもしれません。