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エルマの読みもの

養殖魚が値下がりし、ウニが売れた?
コロナ禍の市場と流通の新たな動き

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豊洲市場「住民」の井上です。


2004年以来、市場の新参者として過ごさせてもらっています。
世界中から人と食品が集まる市場の面白さと、私が日々どのように過ごしているかをお伝えしていきたいと思います。


新型コロナウイルスの感染拡大によって、飲食店の休業が続き、その影響は飲食店へ卸している市場の大卸や仲卸にも影響が出ています。


今回は私が住む「豊洲市場」がどのような状況なのかお伝えしたいと思います。すべてがデータを元にお話ししている訳ではなく、日々のセリ人さんや仲卸さんとのやりとりから得たお話です。市場にいる人間の実情としてお聞きください。

生産者と消費者を結ぶ市場の機能とは

まず市場の機能を簡単に説明します。

市場には「大卸」や「荷受け」と呼ばれる産地から荷物を一手に引き受ける会社があります。豊洲でいうと青果で1社、水産で7社です。年間の取扱金額はこの8社で7000億ほどです。豊洲の荷物はまず彼らがすべて引き受けます。

その大卸を経由して野菜や水産品を購入するのが「仲卸」や「買参人」と呼ばれる会社です。私もその中の1人です。市場の価格形成は、この仲卸や買参人がいくらで買うかによって決まります。

市場価格は、その先にある飲食店や小売店のバイヤーや、さらにその先にいる消費者(お客様)の需要によって変わりますので、例えばスーパーでの売れ行きが全国的に悪くなれば相場が下がるなんてことになります。


コロナ禍の2020年4~6月はどうだったか?

コロナの影響を大きく受けた2020年の4~6月。実は都内の市場全体でいうと必ずしも取扱高が低いわけではありませんでした。飲食店需要は大きく落ち込んだものの、在宅需要によりスーパーなどの小売店が好調だったのがその背景にあるようです。

これは青果物と水産物によって異なります。

青果物は日常使いのものが多く、小売と飲食でいうと、そもそも圧倒的に小売店の需要が多いのです。ですので、青果市場の方は3カ月連続で昨年越えというような大卸も多々ありました。

ところが水産品は違います。やっぱり、魚って特別な日の食べ物ですから、大卸は軒並み厳しく、日本全体の総需要が減っていたのが見受けられます。飲食店向けの卸のみに特化したある豊洲市場の仲卸に聞いたところ「昨年の3%」という月もあったそうで、コロナのダメージの大きさが伺い知れます。

大きく影響を受けたのは、飲食店で使われる品

特に大きな影響を受けたのが、ほぼ飲食店でしか使われないような品です。例えば、ウニ、天然本マグロ、ハモ、穴子、車海老。穴子は今でも「江戸前が一番」と言われる、東京人にとっては誇らしい魚です。

豊洲市場ドットコム(外部サイト)では、昨年から調整を重ねて今年から始めて江戸前穴子を扱えるようになっていました。しかし、いざ旬の時期(5月)を迎えると、江戸前の穴子がほとんど入荷しません。飲食需要が減っているのであれば、相対的にわれわれのようなネット通販でも買いやすくなっているはずです。

これはどういうことかというと、市場に出しても買う人がいない(少ない)状況を鑑みて、穴子漁をせず、別の魚に切り替えた漁師がかなりいたという状況だったそうです。

市場に魚が来ないと相場は上がります。となると、需要は少ないのに相場が高いといった状況がおきます。一見、相場が高いので問題ないように見えても、実は量が減っただけなんてこともあるのです。

相場が下がり、市場にあふれた養殖の魚

穴子漁は天然モノなので、漁に行かないという選択ができます。
しかし、養殖の魚はどうでしょう? 養殖の魚はスーパーでも使われますが、やはり回転寿司(ずし)、居酒屋が中心です。

需要が減り、行き場を失った養殖の魚は「生けす」の中でどんどん大きくなります。エサ代がかかってしまうこと、大きくなると味が落ちるものもあることなどから、どこかで見切りをつけて市場などに出すしかありません。

養殖の魚は一時期相場が極端に下がりました。各地域が懸命に対応をしましたが限界があります。市場相場は昨対70%弱、取扱量が半分という品目もあり大きな打撃を受けました。

青果物ではワサビがそうでした。生のワサビは鮨屋(すし)・和食屋が使うもので、ご自宅で使われる方は極々少数です。日本人が好きな刺身や鮨に使われるものが痛手を受けています。

これまでと変わってきたネット通販で売れるもの

われわれネット通販の会社にも影響がありました。それまでに販売の主軸は果物だったのがこの時期から水産品(特に生の)が多くなりました。特に大きく変動があったのが、生ウニと本マグロ、鮮魚ボックスです。

この写真のような生ウニの事を、市場では「弁当箱」と呼びます。小ぶりの弁当箱サイズなので、そう呼ばれています。通常はほとんどが鮨屋さん和食屋さんに納められ、ご自宅で召し上がられることはほとんどなかったと思いますが、たくさんの注文をいただきました。

ウニは召し上がっていただくのが簡単なので(ご飯に盛るだけですから)注文が増えるのはまだわかります。しかし、鮮魚ボックスは魚をさばかなくてはなりません。それなりに難しいはず。こんなにも世の中に魚をさばける人が多かったのかと驚きました。

魚

報道などもされていましたが、コロナでご自宅にいる方が多くなり、料理をする時間が増えたこと。さらに、外食がしにくい状況でなんとかあの味をご自宅で再現しようと考えた方が多かったのではないかと思います。

小売店では安定供給が一番望まれ、店頭には天然の魚が並ぶ事が少なくなっています。そんな中、そもそも全国的に「天然魚の通販」の需要があり、認知されていったのかもしれません。いずれにしても、卸さん仲卸さんにとても喜んでもらえて、豊洲市場の新参者も多少は貢献できたのかなと思えました。

こんな時こそ、声をかけてもらえることがうれしい


まるっとぺろり
エールマーケットと共同で展開する「まるっとペロリ。ごちそうさま」。新型コロナウイルスの影響を受けた生産者、市場、飲食店、お客様の間にある「食」を循環させるために考えられた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、たくさんの産地の方、メーカーさん、豊洲の仲卸さんから「これをネットで扱えないか」と声をかけていただけました。飲食店さんがお店で出していたものを商品化し販売することもできました。

「日本のいいもの」を探し出し広めるのが、もともとの私の仕事です。こういった有事の時に声をかけてもらえるのはとてもうれしく、自分の仕事に誇りを持てる瞬間です。

できる事は限られ、力不足も感じつつも、産地と市場に少しでも貢献していきたいと思っています。

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どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
もっと知ってほしいもの、あなたに届けたいもの、見つけました。
好きって、エールなのかもしれません。