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エルマの読みもの

一流のネタを使って家で寿司を握る!
「家寿司」プロジェクト(1)

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豊洲市場「住民」の井上です。

2004年以来、市場の新参者として過ごさせてもらっています。
世界中から人と食品が集まる市場の面白さと、私が日々どのように過ごしているかをお伝えしていきたいと思います。


■後編の記事はこちら
一流のネタを使って家で寿司を握る!「家寿司」プロジェクト(2)

衝撃! 天ぷら寿司との出会い

私の娘が6歳になり、そろそろと大丈夫かと、地元では有名な回転しない鮨(すし)屋に行きました。この店はカウンター席とテーブル席とがあって、普段はカウンターに座るのですが、今回は子供がいるので迷惑にならないようにテーブル席を予約しました。

注文をとる女性がやってきて、大人はいつも通りおまかせを注文。イクラやマグロが好きだったはずの娘に、一応何が良いかを聞いたところ衝撃の言葉が飛び出しました。

「天ぷらの寿司を5個(皿)」(誰よりも元気な声だったのは褒めてあげたい)

5皿(10個)という量が食べすぎだという部分はひとまず置いといて、「天ぷら寿司」という回転寿司においてさえも衝撃のメニューが、彼女のNo.1寿司であることに驚きました。いや、確かにあれはあれでおいしい。

そこで寿司のおいしさってなんだったのだろう? と改めて考えてみました。

寿司業界の分布図を作ってみる

私は、何事も論理立てて考えないと気持ちが悪い方で、まず寿司業界の分布図を作ってみました。

まず、寿司のイメージを作ったのは、銀座や日本橋などにある老舗の寿司屋たちでしょう。築地(今は豊洲)に朝早くから仕入れに行き、仲卸と「切った張った」のやりとりをして、真剣勝負で握る寿司。

そして、もっと身近な存在で、どんな街にも1軒はある町寿司。さらに、最近最も勢いのある回転寿司が外食に位置付けられます。家で食べる寿司としては、手巻き寿司があります。

ここである事に気が付きます。「家で食べられる高級寿司ってないんだ。」

うまい寿司が家で食べられたらどんなに良いだろう

ご存じの方も多いでしょうが、それなりの店で、寿司を食べずに話をしていると嫌がられます。それは、寿司は握りたてが一番おいしく、時間がたつほどに味が落ちるからです。

口に入れた時にパラリとほどける「口どけ」が変わります。

独身の頃はまだ行けた、回らない寿司屋は天ぷら寿司を所望する家族の存在と、時間的な理由などによってなかなか行けなくなりました。きっとこういう家庭は多いのではないかと思います。

そこでふと思ったのです。うまい寿司を家で食べる事ができたらどんなに良いだろうと。

調べてみると寿司の握り方の動画はかなりあります。(スゴいぞ、テクノロジー)
プロが教えてくれるワークショップもあるし、寿司学校でさえも2カ月あれば卒業できるらしい。(修行いらず?)

これであれば、頑張れば家で寿司も握れるのでは? 良いネタがあれば、かなりのクオリティの寿司が家で食べられるに違いないし、幸い良いネタを仕入れる事に関しては、最高の環境にあります。

こうして、たった一人の「家寿司(いえずし)」プロジェクトは始まりました。

寿司のおいしさは、酢飯、ネタ、握り方に3分割される

寿司の世界というのは、絵画や彫刻のように一般人が入り込めない何かがあると思い込んでいました。

それは寿司には「にぎり」という芸術的とも言える才能が必要で、一部の選ばれし人間しか体得できないという思い込みがあったからだと思います。

しかし、調べてみると案外そうでもありません。

「にぎり」は寿司を語る上での1つの重要な要素であるのは間違いないですが、うまい寿司には他の構成要素もあります。1つ1つを丁寧に分解していけば、私でもそれなりの寿司が握れるのではないかと思えてきました。

まず、驚いたのは酢飯が最重要になるという事

寿司のおいしさを100とした時に、酢飯はどれくらいの割合になるか?

寿司に関していろいろな人が語った言葉を本や雑誌やネットから引っ張り出した結果、その答えはなんと50~70%を占めると言います。衝撃ではありましたが、これは理解ができます。

以前も触れたことがありますが、人間は飢餓にそなえ本能的に「穀物をうまいと思う」ようにできています。ましてや砂糖と塩が入っている酢飯なら、なおさら本能が欲するはずです。

酢飯は、米とすし酢で作られます。まず米について考えますと、米が農作物である以上、100%同じ状態というのは有り得ません。天候で味が変わり、保管され味が変わり、その上に炊く時の水や水加減でも変わるのが米です。いつも同じ状態の米を炊くのは結構大変です。

そこに、「酢・塩・砂糖」で作られるすし酢を加えます。こだわる人はその日の気温は湿度やネタで微妙に配分を変えたりするらしい。

ここまで調べて「酢飯でこんなに苦労するのか」と、少し嫌になりましたが、ある事に気が付きました。

これほど複雑なら「プロでも完璧にならない」はず。

つまり、何が言いたいのかというと、「100点を目指すのはそもそも無理」だという事です。「人生はこうすればうまくいく」的な本に書いてありましたが、完璧主義は人生を不幸にするらしいです。これは、寿司も一緒のはず。

であれば、最初から100点ではなく80点を目指そう。試験だって100点とらなければ不合格なんてものはそうないですから、80点で良いのです。
では、80点の酢飯のポイントは何か?

1.米を炊く時に酢飯の分だけ水を減らす
2.酢にこだわる

いろいろ試した結果、この2つだと私は思います。

酢飯を作るとき、普段通りに米を炊き、そこへすし酢を入れてしまっている方は多いと思います。これがなぜダメかというと、酢飯は「パラッと口の中でほどけるのが」ゴールなので、水分が多いとそれだけでベチャっとなってしまうからです。

炊飯器の酢飯コースで炊いて、炊けたらすぐ冷ましすし酢を入れる。炊けてから時間がたつと、米が蒸されてもっちりと柔らかくなるので、5分位早めに上げた方が良いと、居酒屋チェーン店の商品開発担当が言っていました。居酒屋チェーンに寿司職人はいないので、どうしたらプロの味に近づくのか検証した結果、この方法に行きついたらしいです。
*私が使う、村山造酢の千鳥酢と、横井醸造の赤酢

2は、果たしてどこまで味に影響するのか、実はちょっと疑問に思っていました。
だって、すし酢は酢に「塩と砂糖」を入れて作られるので、この2つを入れる事で「酢そのものの特徴」は失われてしまうからです。

ところが、酢により味は結構変わります。甘さや塩加減と同じ位、酢の味というのは強いのですね。特に赤酢を入れると独特の風味が出ておいしいです。何よりも色がプロっぽくて良い感じ。米の炊き方は結構難しいのに対し、酢を買うのは素人でもできるから、できる事はやっておくに越したことはないです。

私はすし酢に昆布を入れておきます。これは邪道かもしれませんが昆布の風味が酢飯に移るととてもおいしいのです。


長くなったので後半に続きます・・・


筆者紹介


豊洲市場在住 食のプロデューサー
井上 真一

豊洲市場在住 食のプロデューサー 井上 真一

2004年にスタートした豊洲市場ドットコム(旧築地市場ドットコム)。
以来、100年以上続く店舗がひしめくなか、市場の新参者として過ごさせてもらっています。世界中から人と食品が集まる市場の面白さと、「肉食系」の男女が集まる市場で、「雑食系」の私がどう過ごしているかをお伝えしたいと思います。

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