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エルマの読みもの

自然界は再生能力以上のダメージを受けている
有機農家 農園てとてさんが伝えたいこと

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自然界は再生能力以上のダメージを受けている<br>有機農家 農園てとてさんが伝えたいことの写真

近年、SDGsの取り組みが各方面で行われていますが、自然界は、すでに再生能力以上のダメージを受けているのが現状です。その証拠が異常気象や本来は人間界になかったようなウイルスの蔓延(まんえん)として現れています。これ以上のダメージを広げないためにも、今、私たちができることを改めて見直し、地球環境のためにできることから行動することが大切です。

そうは言っても、「何からはじめればいいのだろう」と思う方も多いと思います。

そこで、今回は、環境に負荷をかけず、自然循環型の暮らしをされている、有機農家 深瀬 隆治、雅子さんの暮らし方をご紹介します。そこには生活環境はそれぞれ違いますが、私たちが、今からできるヒント、暮らしの中で大切にすべきことがあります。

昔の知恵の中に、持続可能な暮らしのヒントがある

深瀬さんの暮らしは、まず、前回ご紹介したパーマカルチャーデザインの要素がしっかり反映されています。その暮らし方について、深瀬雅子さんが、その暮らし方について語ってくれました。

深瀬家のまわりの見取り図。パーマカルチャーデザインの要素が随所に。

うちは、日本の伝統を生かした暮らし方に学んでいきたいと思っています。そこには、多くのパーマカルチャーデザインが含まれています。


わが家はもともとあった日本家屋や庭をそのまま使っていて、たくさんいじってはいません。大きな樹木はできるだけ残し、そこに自分たちの食べたい果樹やハーブなどを植え足しました。


昔の農家の家のまわりは、とても機能的で、食べられるものがたくさんある庭になっています。野菜がとれない端境期(はざかいき)には山菜がとれ、また薬草やお茶なども植えられているので、年中何かしらの収穫があります。うちの家のまわりの生け垣にも、お茶や南天があり、健康や豊かな生活に役立っています。南天はお飾りにもよいですが、食中毒の応急処置に役立つそうです。去年はお茶の木で初めて紅茶にチャレンジしてみました。


また家のまわりによく植えてある梅の木は、夏場に良い日陰を作りだし、冬には落葉して冬の貴重な日差しを取りこんでくれます。花も楽しみの一つです。

庭の梅の木と花々
庭の梅の木と花々

常緑の樹は影を作りだすので、家の前に大きく配置することはあまりありません。またこれらの樹々は日陰に強いものが多いです。うちも北側にビワの樹などが多く、柑橘類は家から少し遠い場所の配置になっています。

裏山とビワの木の様子
裏山とビワの木の様子

鳥小屋、ゆず、金柑、お茶の木
鳥小屋、ゆず、金柑、お茶の木の様子

また、常緑の樹は風よけや生垣にも使われます。このように、年中ひんやりした場所を作りたい場合(例えば蔵や貯蔵庫周辺など)は常緑の管理しやすい樹木を配置します。冬場に温かい日差しを取り込みたいなら落葉樹を置きます。

こまめに使うネギやシソなどの薬味や、ハーブ類は家からほど近い場所に植え、その次に回転のサイクルの早い葉物や、毎日収穫するオクラやきゅうりを植えます。長期間育て、収穫が一度に出来るようなサツマイモやサトイモなどは遠くに配置します。果樹の場合も年に1度の収穫が多いので同様に家から少し離れた場所で良いのです。


生活の仕様を考えると、当たり前なのですが、このように使う頻度の高いものを近くに配置し、日当たりや風、霜などの影響を考え、お互いの特性を生かしながら組み合わせていきます。そうすると、家のまわりや畑全体が、自然の摂理に沿って、機能的になっています。

このように、深瀬家のまわりや畑の植え付けまで、全て自然の摂理に沿った機能的で無駄のない暮らしになっています。その暮らしの中で、私たちが実践できるヒントは大いにあります。

自然とともに心豊かに暮らすために、今日からできること

深瀬さんの毎日の暮らしは、「自然との共存」「生物多様性」を大事にすることで、生まれる豊かさがあります。それこそ、現代社会に生きる人々が必要とするものだと感じます。雅子さんが、未来へのメッセージを語ってくれました。

ありがたいことに先輩方が耕してきた大地や種を受け継ぐことができ、また自然は無償で私たちに多くの恵みを分け与えてくれます。
またお米や野菜、果物といった食べ物だけでなく、すぐそばにある空気や水、光も私たちになくてはならないものです。


私たちはそんな自然の一部で、その中の小さな存在。


かつての自然の影響を受けていた住まいではちょっとした風や雨に恐れをなし、きっと祈るような日々ではなったのかと想像します。


自然に感謝し、時に猛威を振るう自然を恐れ敬いながら、季節を喜ぶ日本文化が、私はとても好きですし、そんな風土が生み出した地域性は、豊かで多様性に溢れているなぁと思います。

大事に受け継がれてきたさまざまなタネ
大事に受け継がれてきたさまざまなタネ

そう語る深瀬さんに、現代人が自然を敬い、心豊かに暮らすためにできることをお伺いました。

現代は豊かさを享受するために時間に追われる日々です。少し立ち止まってゆっくり空を眺めたり、鳥の声や風の音に耳を傾けてみたり、ちょっとは無駄と思える時間も大事なのかなぁと思ったりします。


前述のパーマカルチャーは、作物それぞれの特徴を組み合わせたりするので、一見すると、たし算のようですがそうではありません。今の情報社会全体を客観的に見てみると、情報や物がとても多い時代です。一度引き算してみたらいいかなと思います。


ひとつひとつの豊さを多面的にみて、今ここにある豊かさを再確認するような作業のようにも思えます。

コロナ禍で経済が少し立ち止まる時期こそ、豊かさの再考、今ある自然や自分の環境を愛おしく思い、自分のほど近い家族や地域の価値を見直せる良い機会かなと思います。実際農業をしていて、ここ数年もう、自然界は再生能力以上のダメージを受けており、待ったなしの状況を感じてます。


私たちにできることは限りなく小さくも思えますが、すべては一人から始まり、広がってゆく大きな力もあります。エコやエシカルな選択をすることは、すでに持続可能な未来への必須条件。これからを生きて行く若い世代に、私たちが体験した豊かな自然環境を残すことは、私たちの役割だと思っています。

幼いころ、私は田舎の祖父母のおうちに遊びに行くのがとても楽しみでした。川でシジミを採ったりハヤを捕まえたり、田んぼではオタマジャクシやイモリを捕まえ、畑でキュウリやイチゴを採って食べ、火遊びしながら焼きイモをしたり。たくさん殺生もし、木の枝を振りまわしては、彼岸花の群生をなぎ倒し、小川や田んぼに石を投げ入れて怒られたり。


田舎はそんな私を受けて入れてくれるゆりかごのような場所であり、私の原風景です。この経験がなければ、ここで暮らしたいと思う事もなかったかもしれません。

そう思うと、みなさんとしっかり自然と遊び、豊かさを享受(きょうじゅ)することも大切で、体験で得た共感や感動はとても大切です。


近くの海や山に遊びにいくような感覚で田舎や畑に行く方が増えると良いなぁと思います。その畑でテントムシやらダンゴムシを見つけたり、クモの巣の張り方を眺めてみたり、南からの生温かい風を感じたり、一緒に作業をしておなかがすいたら、みんなで塩むすびを食べたり。


そんな風にいろいろ感じながら、心魅かれるものに思いを寄せることができれば、人にも環境にもよりやさしくなれるかもと思っています。

深瀬さんの話を聞いていると、自然環境を大切にし、持続可能な社会にするということは、机上の理論や理屈ではなく、今、そこにある草花や木々、空気を感じ、それをおいしいとか、きれいと感じることで、育まれる自然を大切にしたい思う心だと知らされます。その気づきが子どもの時にあれば、早い時期から、自然を大切にし行動へと移す機会が多くあります。


豊かな自然とこれからも共存していくためには、今日、身のまわりにあるものや行動からやってみませんか?


生産者紹介

農園てとて 深瀬 隆治さん、深瀬さん

深瀬ご夫婦さん

大分県 由布市の山間部で、農薬や化学肥料をを一切使わず、環境に負荷をかけない、次世代に続く有機農業に取り組んでいます。ご夫婦ともに大学の農学部で学び、南房総市(旧三芳村)で有機農業の研修後、九州で農地を探し、2000年に新規就農。豊富な知識と経験で多品目の有機野菜、米、麦などを栽培しています。固定種、在来種の野菜、種にこだわっています。有機JAS認証農家。古民家を再生し、民泊の受け入れもしています。

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どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
もっと知ってほしいもの、あなたに届けたいもの、見つけました。
好きって、エールなのかもしれません。