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ZENB(ゼンブ)は、豆100%麺、こだわり野菜ソースなどまるごと素材の栄養をおいしく食べる「新しい食」を提案
人・社会、地域、環境にやさしいエシカル商品を応援するお買い物メディア エールマーケット
企業の食品ロス削減に向けた取り組みを知り、外食や買い物、料理など毎日の「食」に関わるよりよい選択を目指すためのコーナー、「知って完食」。これから全4回に分けて、企業による先進的な食品ロス削減の取り組みや考え方をご紹介していきます。
第2回目となる今回は、「『食べる』のぜんぶを、あたらしく。」というミッションを掲げ、野菜や豆、穀物などの素材を可能な限りまるごと使い、人と社会と地球の健康の実現を目指す新たな食ブランド「ZENB」を提供する、ミツカングループ・株式会社ZENB JAPANの長岡雅彦さんにお話をお伺いしてきました。
定番商品の「味ぽん」や納豆「金のつぶ」シリーズをはじめ、私たちの普段の食生活になじみ深いブランドを数多く展開している老舗の食品メーカー、ミツカン。そのミツカンが、人や環境への負荷が少なく「おいしさ」と「カラダにいい」をともにかなえる新しい食生活の実現を目指して2019年3月に立ち上げたブランドが「ZENB(ゼンブ)」です。
野菜や豆、穀物など植物を可能な限り丸ごと使い、スティックやヌードル、ショートパスタ、ソース、ペーストなど様々な商品をD2C(メーカーが消費者に商品を直接届けること)で展開しているZENBは、食糧不足や食料廃棄による環境への悪影響が懸念されるなか、新たな食の選択肢として大きな注目を集めています。
丸ごと野菜にナッツを合わせた濃厚な甘さ広がる新商品ZENBスティック リッチテイスト
創業200年を超える老舗企業のミツカンは、なぜこの新しいブランドを始めたのでしょうか。ZENB事業を手がけるミツカングループ・ZENB JAPANの長岡さんは、ZENBの原点はミツカンの創業時にあると話します。
長岡さん「ミツカンでは1804年の創業以来ずっとお酢を作り続けているのですが、創業時のお酢は酒粕から作ったお酢でした。捨てられている酒粕がもったいないとのことで『山吹』というお酢をつくり、それを創業地の愛知県半田市から江戸まで運んでいました。当時、江戸ではお寿司が流行っていたのですが、お寿司に使うお酢をお米から作っていたので高価でした。しかし、酒粕から作ったお酢は魚に合うということが分かり、そのお酢とともに江戸前寿司の文化が広まっていったのです。」
株式会社ZENB JAPAN 長岡雅彦さん
「このように私たちは創業時から『もったいない』を大切にし、『捨てられているものに目をつける』ことを続けてきたのですが、創業215周年を迎えるにあたり、今後ミツカンがどのように世の中に貢献できるのかを10年、20年後の未来からバックキャスティングして考えることになり、2018年に『未来ビジョン宣言』をつくりました。」
「『未来ビジョン宣言』のポイントは大きく2つあります。1つは、『おいしさと健康の一致』です。例えば、砂糖や油などは重ねていくとおいしくはなっていくのですが、健康にはよくありません。一方で、例えばサプリメントのように健康にはよいけれども食事としてはおいしくないものもあります。ミツカンとしては、おいしさと健康が両立する食生活を提供していきたいと考えました。もう一つが、人と社会と地球の健康です。人の健康も大事ですが、同じように社会や地球の健康も大事であり、環境負荷が減るような食生活を提供していきたいと考えました。」
「その象徴となるのが、2019年3月に立ち上げたZENBブランドなのです。ミツカンの他の商品のように一般の流通に乗せるのではなく、今お伝えしたような考え方の背景をしっかりとお伝えしたいと思い、D2Cとして事業を立ち上げました。」
ZENBブランドは、2020年度グッドデザイン賞を受賞
ZENBが目指しているのは、素材となる植物を普段食べずに捨ててしまうところまで可能な限り丸ごと使い、おいしくて体にもよく、環境にも優しい食生活の実現です。長岡さんは、このビジョンの実現には技術開発がとても重要だと話します。
長岡さん「例えば最初に出したZENBペーストという商品はトウモロコシの芯や枝豆のサヤまで丸ごと使っているのですが、ただ丸ごとすりつぶすのではなく、素材のおいしさやそこにある栄養を引き出すための工程が大切となります。環境に優しいだけではなく、おいしいし体にもよい、という点にこだわっているのです。」
ZENBブランドのなかでも特に人気を博しているのが、2020年9月に販売を開始したZENBヌードルです。糖質制限などが必要な人などでも「我慢するのではなく、ポジティブに食べられる主食を作りたい」という思いで開発されたヌードルは、黄エンドウ豆が薄皮まで丸ごと使われており、環境意識が高い人々だけではなく、美容や健康に気をつかう人々へと客層が広がっているそうです。
黄エンドウ豆100%のZENBヌードル
このZENBヌードルのすごいところは、麺を茹でた後のゆで汁まで楽しめるところ。黄エンドウ豆のうま味が凝縮されたゆで汁はスープの出汁として活用でき、専用のスープヌードル調味料も販売されているほか、ZENB JAPANのウェブサイトではこのゆで汁をつかったスープのレシピも公開されています。まさに素材を「捨てることなく丸ごと楽しめる」のがZENBの魅力なのです。
ゆで汁と合わせて楽しめる様々なスープヌードル調味料も販売されている
長岡さんは、ZENBブランドを通じて、健康や地球環境の未来を考えたときにもう少し私たちの食生活に見直すべき部分があるのではないかという点に気づいてほしいと話します。
「『丸ごと』と言っても、もっと『丸ごと』ってあるよね、という気づきがあると思うのです。例えば、とうもろこしを丸ごと食べると言うと丸かじりするというイメージがありますが、実は芯まで食べられるよね、とか、今まで当たり前のように皮をむいていたけど皮も食べられるよね、みたいな気付きですね。」
たしかに、私たちは日々料理をするなかで「ここまでは食べられるけれども、ここは食べられない」と、可食部分を勝手に決めてしまいがちです。しかし、素材を丸ごと楽しませてくれるZENBは、私たちが普段捨ててしまっている部分にこそ、おいしさと栄養が詰まっているということを教えてくれます。
最後に、長岡さんに食品ロスを減らし、持続可能な食の未来をつくるために私たちが日々の食生活のなかで意識するべきことについて聞いてみました。
長岡さん「捨てるのが『もったいない』というのは、環境負荷だけではなくおいしさや健康という意味でも『もったいない』ことだという気づきを持っていただくと、食事が変わるのではないかなと思いますね。ZENBで素材を丸ごと食べることのよさを感じていただき、それを通じて普段の食生活や素材に対する見方が変わっていけばよいなと思います。」
食品ロスの話しになると、つい環境の視点が先に来てしまいがちですが、捨てるのは環境負荷の視点だけではなく「おいしさ」や「健康」といった自分の視点から見ても「もったいない」ことだから、まずはそのことに気付いてほしい。それが、長岡さんの一貫したメッセージでした。
今後、ZENB JAPANでは朝・昼・夜の1日3食に間食2回と夜食を加えた1日6食×365日に対して提案できるような新しい商品を展開していく予定とのことです。より様々な場面でZENBを楽しめるようになるのが、とても楽しみです。まだZENBの商品を食べたことがないという方は、ぜひこれを機会においしくて健康にも地球環境にもよい新たな食生活を始めてみませんか?
どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
もっと知ってほしいもの、あなたに届けたいもの、見つけました。
好きって、エールなのかもしれません。