2021.04.16
選択することで地球の未来を守る。
「CO2配慮」商品を買おう
「わかる、えらぶ、エシカル」特集(19)

「エシカル消費」という言葉を知っていますか? エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費のことで、誰にでもできる社会貢献のアクションとして、注目されています。
本特集では前回(全9回)の特集の続編として、約6カ月にわたりエシカル消費のおすすめ12テーマを解説していきます。第19回は、「CO2配慮」について詳しく解説します。
気候変動の要因を増やさない、CO2配慮商品とは

近年、天気に関するニュースで「観測史上1位を更新」といった表現を聞く事が多くなりました。この背景には地球温暖化があると言われています。地球温暖化は、気温の上昇に始まり、台風の増加などの異常気象、気候変動を引き起こし、私たちの生活や自然界の生態系にも影響を与えています。
この地球温暖化の原因はCO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスで、CO2の削減は世界的に取り組むべき課題と認識されています。2015年のパリ協定では「2050年までに世界の平均気温の上昇を2度より低く、1.5度に抑える」という目標が発表されました。
その結果、2050年までにCO2の排出を実質ゼロにすることを目指すと表明した国は日本を含め124カ国にのぼります(*1)。主要な温室効果ガスであるCO2をいかに減らすかは、気候変動の緩和に向けて、今や世界共通の課題です。
今回のテーマである「CO2配慮商品」は、この課題の解決を後押しできる、原材料の採掘から生産、流通、廃棄にいたるまでCO2の排出量を可能な限り抑えた商品・サービスを意味します。
CO2を減らすと聞くと、自粛や我慢をする印象があるかもしれませんが、CO2を減らしながら暮らしを豊かにする商品やサービスが次々と誕生しています。 この機会にお気に入りのCO2配慮製品を見つけてみてはいかがでしょうか。
CO2配慮商品はなぜエシカル?

CO2は気候変動を引き起こす主要な温室効果ガスのひとつであり、気候変動による影響はすでに暮らしのさまざまなところに現れています。
猛暑日や台風、大雨の増加など、気象の変化に伴う熱中症などの健康被害、交通まひや洪水、水不足といった社会的被害も年々増加しつつあります。感染症発生の原因の一つにも気候変動があげられています。
生態系に与える影響も深刻で、気候変動の影響で住む場所を変えなくてはいけない状況の動物もいます。また、異常な気象状況によって農作物や水産物などの収穫量の減少もつながっています。
CO2配慮商品を選ぶことは、間接的ではありますが、このような影響を減らし、気候変動を緩和していくことにつながります。
CO2配慮商品を選ぶポイント
CO2配慮商品を選ぶポイントは3つあります。
(1)省エネ製品を選ぶ
身近な例では、エアコンやテレビのように、使用している時に電力がたくさん必要なためCO2排出量の割合が多いものがあります。一方で、省エネ家電や電気自動車などエネルギー効率がよいものを購入することで、CO2排出量の削減に貢献できます。例えば、すすぎが一回で十分な洗剤は、水の使用量だけでなく必要な資源やエネルギーが少ない分、CO2排出量を削減することにもつながります。
(2)カーボンオフセットできる商品を選ぶ
最近では、排出したCO2を植林などの支援によってオフセット(CO2を削減する取り組みに寄付し、相対的に排出量をゼロにすること)できます。飛行機や車、列車での移動によってどうしてもCO2の排出を伴う場合は、こうしたサービスを利用して相殺するのも一つですね。
(3)CO2排出削減に取り組む企業、ブランドの商品を選ぶ
CO2排出量の少ない商品・サービスは、開発途上でもあります。現段階でまだ取り組みが不十分だったとしても、CO2の排出を実質ゼロにすることを目指し、近い将来CO2削減を約束している企業やブランドの製品を、応援の意味を込めて選ぶこともできます。
この他にも、資源・エネルギーの消費量をできる限り少なくすることがCO2配慮と考えると、これまで特集で取り上げてきたテーマもCO2配慮に関連します。
ゴミが発生しにくいものを選ぶ
地産地消の食材や製品を選ぶ
旬の野菜や果物を選ぶ
国内外のCO2配慮商品
ここで、国内外のCO2配慮商品に関連する事例を紹介します。

乗客がドライバーを呼ぶ際に電気自動車、ハイブリッド車、ガソリン車から選択することができるカナダの配車サービス。さらに、移動距離からCO2排出量を算出し、植林プロジェクトへの寄付金に変換されます。寄付金は、移動した後に利用料金に上乗せされ、カーボンオフセットできる仕組みになっています。

「マンションはコンクリート製」という概念を覆す9階建ての木造マンション。木材はコンクリートと比べて製造時や運搬時に発生するCO2が少ない特徴があります。また、建物の耐用年数内に排出される木材のCO2排出量は、コンクリートと比べて約550トン削減できるそうです。解体した後も建材が再利用できるよう設計し、長く使えるように工夫されています。温かみのある外観、内装が心地良さそうですね。
次回は「天然素材」について解説します。お楽しみに!
■出典(外部サイト)
*1 参考 経産省「2050年カーボンニュートラルを 巡る国内外の動き 令和2年12月」
参考記事 気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018「日本の気候変動とその影響」
記事提供
IDEAS FOR GOOD(外部サイト)

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