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エルマの読みもの

ぶどうを育てワインをつくる
長野で一人で始めたワイナリー

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<center>ぶどうを育てワインをつくる<br>長野で一人で始めたワイナリー</center>の写真

長野県東御市(とうみし)で、ブティックワイナリーを営む「はすみふぁーむ」の、蓮見よしあき氏が、今年最後のぶどうの収穫をすると言う。そんな蓮見氏を訪ねてみた。

開墾し自分で苗から植えてスタート



「はすみふぁーむ」は、東御市の「千曲川(ちくまがわ)ワインバレー」東地区に位置する。遊休荒廃地を開墾し、耕し、ぶどうを1本1本苗から育ててきた。

南仏で描かれた印象派の絵画のよう

この日は小雨模様。周辺景色は、静かに秋雨を受け入れていた。

ワイナリーに面した畑には、ピノ・ノワールとシャルドネのぶどう畑が広がっている。この畑はすでに収穫を終えており、葉を残しているだけで、果実の姿はなかった。しかし、秋色に輝く赤や黄色に色づいたぶどうの葉はなんともいえない美しさだ。

畑全面が、まるで南仏で描かれた印象派によるタッチのように見える。雨が発色を手助けして、その彩は、豊穣(ほうじょう)な土地に託した彼らの一年の仕事の成果を見ているかのようだ。

しかし安堵(あんど)を感ずる間もなく、本人は慌ただしくワイナリー、カフェ、畑などへと動き回る。

「立派な房でしょう。嫁に出す気分」

ワイナリーから車で5分ほどの所には、蓮見氏が2005年に植えた別のぶどう畑がある。「甲州」という品種のぶどう畑は、この季節でも緑で覆われていた。この畑のぶどうは、台風19号「ハギビス」で少し落ちたが、軽度の被害で済んでいた。

一年かけて育てたぶどうをハサミで切る。

「立派な房でしょう。嫁に出す気分」と蓮見氏が笑う。

生産性、効率性を求める大手工場生産とは違った、ブティックワイナリーは、自然と共存しながら手作りで育て、絞り、熟成させていくからこそ、果実の個性を引き出し、それぞれの味わいを深めていく事ができる。

収穫の「プチン」というハサミの音が特別に聞こえる。

「ワインづくりに人生をかけてみたい」

蓮見氏は愛知県出身。アメリカの大学を卒業後、米国大リーグの球団職員や国内メーカーの海外営業で世界中を飛び回る中、さまざまな国や地域の食文化に触れた。飲むことが好きだったこともあり、特にワインに魅せられた。

その後、国内ワイナリーにて就労。栽培、醸造、販売などワインビジネス全般を経験する。そして、ワインづくりを一生かけてやってみたい、との思いで、独立を決意。ワインづくりに適する地を探した。

「東御市は、日本でもっとも雨が少ないエリアと言われていて、さらに日照時間が長いことが、ぶどうに限らず農業には適している土地でした。また、標高が高く山の斜面なので水はけがよく、湿度も少ないので、ぶどうには適していました。あとは、この景色を見て、すばらしい、この土地でやりたい、という気持ちになったのが移住の決め手でした」蓮見氏は、2005年に長野に移住した経緯をこのように話す。

地元のりんごを使ったシードル

「移住者の自分と、はすみふぁーむを受け入れてくれた地元に少しでも貢献したい。この土地の作物の品質の高さ、おいしさがあると信じてやっているので、それにかけたい」。

蓮見氏は、その思いで、ワインのほか、地元の農家さんのりんごで「シードル」も作っている。「シードル」とは、りんごを絞ったジュースを発酵させて造るアルコール飲料。りんご農家さんから届いた真っ赤な紅玉を使用する。

SNSで集まったボランティアスタッフも加わって、りんごはひとつひとつ手洗いされ、その場で砕かれる。建物中がりんごの甘酸っぱい香りに包まれている。

水にプカプカと浮かぶ豊かなりんごを見ると、キラキラしていてとてもまぶしい。

ジュースになったりんごは醸造されシードルとなる。完成する日が待ち遠しい。

地産地消の食とともにワインを楽しむ

蓮見氏のワイナリーで製造されているのは、赤や白のワインとシードル、そしてジュース。ワインは、先に訪れた蓮見氏の畑でつくられたぶどうで、オリジナルの商品をつくっている。

上田市柳町には、蓮見氏のワイナリー直営のワインショップがある。ここではワインと供に地元食材や発酵食品を使った料理を楽しむ事ができる。ワインテイスティング(有料)も購入も可能だ。

「ここは標高が高いこともあり、果汁の酸味がありキレのあるワインが特徴です。どんな食事にも合うのでいろいろな方に楽しんでもらいたいです」と蓮見氏。

・はすみふぁーむ&ワイナリーShop&Café@上田柳町店
〒386-0012長野県上田市中央4-7-34
営業時間 10:00-18:00
ランチ 11:30-14:00(LO)
定休日 水曜(冬季・火水)
電話 0268-75-0450
公式ウェブサイト(外部リンク)

※お酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁じられています。

一方、街の様子は

先日、長野でも大きな被害をもたらした台風19号「ハギビス」。

地元に親しまれている上田電鉄のシンボル「赤い鉄橋」が無残にも崩落し、これまで見た事のある美しい千曲川とは別の顔になっていた。

通行止めの田中橋は、市内に向かう際、多くの住民が日常的に使用しているといい、迂回(うかい)しなければならず、不便は続いているという。再建には1年はかかると言われている。もちろんこの田中橋は先の蓮見氏も使っている。

「こんなときだからこそ、被災地のものを買うなど消費の面で応援してもらえるとありがたいです。長野県への旅行をとりやめる方も多く、旅館やホテルは困っていると聞きます。今こそぜひ来ていただき、長野県の立ち直りにお力をお貸しいただきたい」

その光景を前に、ふと蓮見氏の言葉が去来した。

執筆・動画制作:映像作家 川瀬美香(かわせみか)

自然と文化の共存をもとめ、水や大地などにかかわりのある伝統文化などをテーマとしたドキュメンタリー映画を制作。

作品
「あめつちの日々」2015年
「紫」2011年 
「長崎の郵便配達」2020年公開予定 
公式ウェブサイト(外部リンク)
令和元年台風第19号災害により被害にあわれた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
Yahoo!ネット募金では、「令和元年台風19号緊急災害支援募金」を立ち上げています。
詳しくはこちら:Yahoo!ネット募金 


この記事で紹介したはすみふぁーむのワインはこちら

はすみふぁーむ
はすみふぁーむ 赤ワイン 他


コンコード種で造った赤ワインです。キャンディのような甘い香りですが、味わいはすっきりとした辛口です。フルーティで軽快な味わいが特徴です。非常に飲みやすく、ワイン初心者の方にもオススメです♪

どこにでもあるものより、なかなかないもの。
太陽の香りがしたり、人の手の温度を感じる。
大事に生まれたものは、大事にしたくなるものです。
そうだ。こだわりは、ごちそうなんだと思う。
もっと知ってほしいもの、あなたに届けたいもの、見つけました。
好きって、エールなのかもしれません。